明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
そこで、彼女は親友の看護婦さんに、ぜひ助産婦になってほしいと勧めたのだそうです。そしてその友人は今年助産婦学校を受験されました。

その試験問題のひとつに、「分娩の3要素を書け」というのがありました。産科の基本ともいえる問題で、答えはもちろん、「胎児、産道、娩出力」です。

ところが、安産を成し遂げた親友から「お産に必要なのは、1に散歩、2に体重管理、3に夫の協力」と、さんざん聞かされていた彼女は、それ以外の答えが浮かばず、そのままに答案をしたためました。そして、それが災いしたのかどうか、結果は不合格でした。

うそのような、ほんとの話です。これを聞いた私たちは、あまりの傑作さにしばし呆然、そして皆で笑い転げるほかありませんでした。本当はこっちの答案が正しいです。「新・分娩の3要素」とでも名付けましょうか。今年の受験は残念でしたが、それは試験官に見る目がなかったせいかもしれません。ぜひこういう感覚を持った人に助産婦になってほしいと思います。


これからもずっと、ずっと一緒だね
(写真:宮崎雅子)
3 / 3   第21回 産科医の仕事

copyright © 2003-2011 birth house ASUKA, All Rights Reserved.