明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
第9回 自然分娩へのプロセス−−難産避ける努力重ねて

私たちのところではこれまで200人以上の赤ちゃんが生まれ、お産の途中で緊急帝王切開が必要となったケースは幸いにしてありませんでした。やはり、帝王切開率は1%以下に下げることができるのです。けれど、そのプロセスが平坦だったわけではありません。

200人は200様、本当にいろいろな方がありました。どうしても自然に産みたいと、遠方から来てくださる方、自然に産みたいけれど、年齢の高さやその他のリスクから、助産院では心配だと来られる方もあります。もともと安産できる方たち、リスクが低い方たちばかりではないのです。むしろその逆で、それぞれの方が、安産のためにそれぞれ必要な努力をしてくださった結果、無事にお産することができただけです。

200人の産婦さんのうち、初産の方は52%ありました。年齢の内訳は、30代前半が45%、ついで30代後半が27%と、年齢の高い層が多く、40代の産婦さんも9人あります。この中には初産婦さんが3人含まれます。また、いわゆる高齢初産、つまり35歳以上の初産婦さんは27人でした。

そのほか、身長150cm以下の方もあれば、もともと太めの方もありました。子宮筋腫合併妊娠もあれば、前回のお産でやむをえず帝王切開したものの、今回はどうしても自然に産みたいと必死の方もありました。はじめてのお産で赤ちゃんを亡くされている方もありました。双胎(双子)もありました。赤ちゃんの先天的な致死的奇形がわかった上で、自然なお産の形を望まれてお受けしたこともあります。
第8回 安産法   1 / 3

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