明日香医院
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明日香医院のインテリア<2004年>
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おしゃべりの部屋
おしゃべりの部屋
椎名啓二 あすかネット会報 24号, 1ページ, 2004

明日香医院のインテリアのなかでも、いちばん明日香医院らしいところは、おしゃべりの部屋(通称リビング)ではないでしょうか。自宅に居るような安心感と落ち着いた雰囲気。そんなふうに、みなさんも感じたことはありませんか。


小さいけれども四季折々の葉や花を楽しませてくれる中庭。しっかりした木製のガラス窓から入ってくるやわらかい木洩れ日。手織りのインドシルクのカーテンはおしゃべりの部屋の空気を包み込んでいるようにやさしいですね。しっとりした肌触りの無垢のフローリングに腰をおろしていただくお茶も、とてもおいしく感じます。

初めてのお産を前にして、ちょっと不安な気持ちのお母さんも、明日香医院のおしゃべりの部屋ですごしていると、きっと、やさしい気持ちでこころの準備ができるのではないでしょうか。

自然の素材はどうして気持ちを和ませてくれるのでしょうか。画一化された工業製品が身の回りにあふれている生活では、その「物」のもつ肌合いや艶なども、知らぬ間に均一化した冷たい手触りの感覚が当たり前になってきてしまいますね。

明日香医院のおしゃべりの部屋にある三角のテーブルと本棚の付いたソファー。それと造り付けの飾り棚はどれもタモの木の無垢の手触りです。明るい中庭の光をうけて、木目のひとつひとつの違いもその家具の表情をつくっています。

家具を作っていて、最後の仕上げの決め手になるのはいつも、てのひらで触ったときの感触です。テーブルに何気なく乗せた手が、数十年も使い込んだ卓袱台のように、肌にやわらかく馴染むように仕上げたいと思っています。
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