明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
温泉旅行も、どうぞいっていらっしゃい。ただし、これも注意点があります。

熱いお湯につかっていると、子宮の中まで熱くなります。環境温度が高いところで心臓がどきどきするのは、赤ちゃんも同じです。短時間ならいいのですが、長くなると、お母さんも湯あたりしますし、赤ちゃんも疲れます。ですから、せっかく温泉に来たからと、がんばって何回も長時間お湯につかることなく、適当に切り上げてください。

自転車に乗ることも、そのことそのものは、かまいません。上のお子さんがいらっしゃるかたなど、自転車なしの日常生活がとても不便なことがありますね。

ただし、自動車の運転はご注意ください。妊娠中はホルモンの働きで、注意力が散漫になっています。女性の運転中の事故のほとんどが月経前に起こっているというデータもあるようですが、これと同じです。自分では気づかなくても、注意力は低下しています。ふだんと比べて、ねじが3本くらい抜けた状態と認識してください。そのように自覚した上で、無理をせず、十分注意して運転することです。自転車の場合も交通事故にはご注意ください。

引っ越し準備や、高いところのものを取ることも、かまいません。もちろん、タンスなどを大きなおなかで不用意に持ち上げたりすれば、腰を痛めかねないことは言わずもがなでしょう。昔から、「妊婦は高いところのものを取ってはいけない」といわれますが、これは注意力散漫への戒め、と理解していいのではないでしょうか。妊娠後期にはおなかも大きくなって、身体のバランスを取ることも多少難しくなります。そんなことへの注意かもしれません。
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