明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
お父さんは突然の3人目の出現に腰に重い石をつけられたような責任を感じておられたそうですが、坊やは彼を待ち受けるふたりのお姉ちゃんのいる家に、生まれるべくしてやって来たのでしょう。予定日がクリスマスだったことも偶然に見えますが、これさえ偶然ではないと私は思います。

「子どもはさずかりもの」とか、「コウノトリが運んでくる」というのは、子どもがやってくるときの、こういういのちの不思議をさすのでしょう。そしてそれは神様にはかられた必然にちがいありません。思いがけない妊娠であろうと、不妊治療の結果であろうと、やはり子どもは「さずかりもの」として与えられるのでしょう。そして親として選ばれたひとは、つかの間おあずかりして、慈しんで育てる、そういうことだと思います。

家族に見守られ、お父さんそっくりのちっちゃな弟は、ゆっくり生まれてきました。「ほら、頭が見えるよ」、「お顔が出たよ」と告げるたび、お姉ちゃんたちの瞳が輝きました。予定日より10日早いサンタさんからの贈りもの、幸せが輝くようなクリスマスになることでしょう。

9回にわたって写真でご紹介したご夫婦のお産は今日が最終回です。新年は別のお産をご紹介します。

家族が4人になりました
(写真:宮崎雅子)
3 / 3   第13回 妊婦と旅行

copyright © 2003-2011 birth house ASUKA, All Rights Reserved.