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第1回 予防接種を受けた方がいいですか
第2回 麻疹(はしか)
第3回 インフルエンザ
第4回 水痘
第5回 風疹(1)
過去もっとも有名な風疹の大流行は、昭和39年から41年にかけて、本土復帰前の沖縄で起こり、400人を超えるCRSによる難聴児が生まれました。そのときの調査結果が、CRSに関する貴重な疫学データとなっています。
その後も10年おき、あるいは5年おきに春から初夏にかけて風疹の流行は繰り返されました。昭和52年からCRS予防のため女子中学生のみに風疹ワクチンの予防接種が行われるようになりましたが、流行は抑止されず、CRS児の出生も続きました。さらに平成元年より麻疹、おたふくかぜ、風疹混合ワクチンであるMMRが導入されましたが、髄膜炎の副作用報告の頻度が多いため平成5年には接種が中止されるという混乱もありました。
平成6年新予防接種法の改正後、1歳以上の男女幼児にワクチン接種を開始した後、これが功を奏し、全国的に流行が沈静化しました。CRS児の出生も年間0から1例となりました。
現在問題となっているのは、こういった制度の変遷により、予防接種から漏れてしまった年齢層です。つまり予防接種の対象年齢が中学生から幼児に移行した時期に、対象年齢からはずれた年齢層、具体的には昭和54年4月2日から昭和62年10月1日生まれ、現在16歳から25歳の年齢層です。経過処置として法的対策も行われましたが、この施策は一般に知られることがほとんどなく、結果としてワクチン未接種人口が約600万人にのぼると試算されています。そしてこの年齢層が妊娠年齢に達しています。
次号に続きます。
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