明日香医院
大野明子の著作など あすかネット会報より > 予防接種の話
予防接種の話
第1回 予防接種を受けた方がいいですか
第2回 麻疹(はしか)
第3回 インフルエンザ
第4回 水痘
第5回 風疹(1)
明日香医院の場合、妊娠34週であれば出産後子どもをNICUに収容する必要が高度に予想できるので、あらかじめ母体搬送をします。ところがこのケースは分娩経過が非常に早かったため母体搬送の時間的余裕がなく、生まれた赤ちゃんの新生児搬送をしました。赤ちゃんは元気に生まれてきてくれましたが、子宮内感染があったためか、赤ちゃんの呼吸状態などが週数のわりに未熟で、入院も長引いてしまいました。お母さんは熱心におっぱいを運ばれました。

経過そのものはやむをえないケースといえます。けれど、彼女はリピーターさんでもあり、なにかできたのではという気持ちが強く残りました。そして後述のごとく、日本の厚生労働省は妊婦に対するインフルエンザ予防接種をすすめていませんが、米国CDCでは、妊婦はインフルエンザ接種を積極的に進める対象であることを知りました。

とはいえ、昨シーズンはどうしようかと思い切り悪く迷っているうち、接種の時期を逃し、流行期に突入してしまいました。そこで、今年はシーズン当初から計画的におすすめすることにしたものです。

お産後のかたが希望されるときも、接種させていただきます。授乳への影響はありません。

子どもについては、生後6ヶ月から受けることができます。ただし乳児については予防接種の有効性は証明できていないそうです。したがって、むしろまわりの大人が予防接種を受けてインフルエンザを赤ちゃんにうつさないようにすること、保育園に入園の予定があったり、心臓などの疾患があってインフルエンザが重症化するおそれのあるときなどにかかりつけの小児科医に相談の上、受けるのがよいのではないでしょうか。
2 / 4

copyright © 2003-2011 birth house ASUKA, All Rights Reserved.