お産の家　明日香医院－大野明子の著作など

私は、他に患者が出ているのではと思い、治療室の院長である助産婦さんに電話をしました。重大なことと受け止められるかと思いきや、「ああ、そうなん。子どもはみんなかかるんやけんね」などど、軽くいなされてしまい、あっけにとられました。母乳育児をしながら、その助産婦さんに教わったたくさんのことは、私の仕事の動機であり、原点になっていますし、もちろん今もとても尊敬し、おつきあいをさせていただいています。けれども、あの電話に対する対応の1点のみ、麻疹という感染症に対する意識の低さだけは、正しくないと思っています。

麻疹の予防接種を受けないと言える人は、病気の怖さを知らないだけでしょう。けれど、自分の子どもがつらい思いをするだけでなく、さらに加害者になってしまう可能性さえあることも知っておいてほしいです。お互い様ではすみません。

あの日、予防接種を受けないで、潜伏期の子どもを連れて歩いていたお母さんは、そんなふうに8ヶ月の小さな子どもが苦しんだことをご存じでしょうか。そして、明日香医院にやはりそんな子どもがやってきて、小さな赤ちゃんに病気をうつしてしまうような顛末だけは、起こしたくありません。一般の産科では、子ども連れはご法度。小さな子どもの赤ちゃんへの面会もご法度です。ご法度には、意地悪だけでない理由もあります。

いずれにしても、これを読んでくださったかたたちの麻疹予防接種率が100%となりますことを願います。

7 / 7 　第3回インフルエンザ

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