明日香医院
大野明子の著作など 論文 > 「なかなかすすまない」分娩にどう取り組むか
「なかなかすすまない」分娩にどう取り組むか
はじめに
明日香医院のお産のデータ
考察
明日香医院のお産のデータ

1. 昨年の帝切および搬送率

過去5年を振り返れば、「なかなかすすまない」分娩は、数限りなくある。本稿では、昨年(2003年)の216例の分娩について具体的数字とともに述べる。

216例の内訳は、初産婦99例(45.8%、平均年齢30.5歳)、経産婦117例(54.2%、平均年齢33.1歳)である。このほか、産科学的理由による妊娠中の転院および母体搬送例が9例(4.0%)あり、33週前期破水による搬送後早産の1例を除く8例が初産婦であった。初産婦のみの転院・搬送率は7.5%と算出される。

転院例には胎児の先天的形態異常2例、IUGR2例、搬送例には早産の常位胎盤早期剥離2例があり、うち1例は搬送後剥離を起こした。このうち帝切となったのは、42週胎盤機能不全1例および胎盤早期剥離の2例で、いずれも初産婦であった。全体に占める帝切率は1.3%であるが、初産婦のみに限れば2.8%となる。34週未満の早産は早期剥離の2例のほか、上述の破水および妊娠29週18トリソミーによる転院後の子宮内胎児死亡のそれぞれ1例であった。このほか、自院出生の35週1例があり、35週以下の早産率は2.2%であった。

「なかなかすすまない」ための母体搬送は1例ある。この例は28歳、初産、妊娠41週4日にて破水および陣痛発来、3日目より陣痛促進開始、終始児心音は良好であったが、妊娠42週1日にあたる5日目に羊水混濁出現。痛みに耐えかねた産婦の強い搬送希望があり、子宮口8cm開大であったが、やむなく搬送した。搬送先は経膣自然分娩に熱心に取り組む施設であり、翌日より再度促進後、吸引分娩となった。
2 / 7

copyright © 2003-2011 birth house ASUKA, All Rights Reserved.