明日香医院
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骨盤位外回転術−私たちの実践 無理な力を加えない、早めの週数での外回転術
はじめに
骨盤位分娩と帝切
外回転術施行とその理由
当院における骨盤位外回転術の時期と方法
外回転術の成績
考察
まとめ
骨盤位分娩と帝切

帝切の比率や適応は施設間で差異があるが、上位から3つを順不同であげれば、「難産あるいはそれに胎児胎盤機能不全を伴うもの」「骨盤位」「前回帝切」であろう。かねてより初産の骨盤位を予定帝切とする施設は少なくないと見聞していたが、一昨年のACOG勧告1) 以降、わが国でも経産婦の予定帝切も増加するのではなかろうか。

骨盤位分娩の予後を完全に保証できない以上、全例の予定帝切はやむをえないという論理はなりたちうるが、そもそも分娩の予後が保証できないことは、実は頭位分娩においても本質的には同じである。したがって骨盤位の全例予定帝切が産科医療のスタンダードとなることは、骨盤位の経腟分娩を希望する人にとって機会の減少、前回帝切の増加、帝切後の母子の心身に及ぼす影響、さらには骨盤位のみならず、リスク回避適応による帝切の増加などを予想し、個人的には残念に思う。
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