明日香医院
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おっぱいの話
第1回 子育てはおっぱいから
第2回 おっぱいが出るしくみ
第3回 それぞれのおっぱい
第4回 乳腺炎
第5回 おっぱいが足りない
<その1>
第6回 おっぱいが足りない
<その2>
大きな乳頭は、経産婦さんに多いようです。上の子供が長く吸っていたため、先があめ玉のように大きくふくらんで、伸びてしまっていることもあります。初産婦さんでも大きめの乳頭のかたもあります。

子どもの口の大きさもそれぞれなのですが、生まれたての赤ちゃんのお口は、たいていそんなに大きくありません。大きめの乳頭は、小さな口からはみ出してしまうことも多いのです。赤ちゃんの飲みっぷりとも関係しますが、小さな口でも、上手に大きな乳頭から飲む子もいます。逆に最初はうまく吸いつけない子もいますが、ともかく訓練です。こんなときは、赤ちゃんを上手に抱いて、口の中に無理矢理乳頭をつっこむようにして、深くくわえさせ、吸ってもらいます。

小さな乳頭や、短い乳頭の場合、赤ちゃんがくわえても滑ってしまい、いわゆる「浅飲み」の状態になりがちです。おっぱいには「吸う」という動詞を使いますが、実は単に吸っているのではなく、乳頭全体を深くくわえ、顎全体で咀嚼して飲みとっています。これがほ乳瓶の乳首にあいた穴から、単にミルクを吸い取って飲んでいるのとは決定的な違いです。小さかったり、短い乳頭の場合、滑ってしまって、深くくわえて咀嚼運動することが難しいのです。

こういったときも、飲ませ方が大切になります。しっかり抱いて、最初は頭を支え、深く乳頭をくわえさせます。生まれたてで、子どもの吸う力が十分でないときは、搾乳してスプーンで飲ませながら、子どもの成長を待つこともあります。そんなふうに工夫をしながら、子どもに吸ってもらっているうち、小さな乳頭や、短い乳頭も、次第にふつうの大きさに成長します。
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